コーヒー現像のススメ

最近フィルム熱がすごい私ですが、モノクロフィルムを始めてから現像も自分で行っています。

本来現像と言えば、定着液や停止液などの数種類の薬品が必要だったりして自宅でやるにはハードルが高いと言うイメージだと思うのですが…
なんと、コーヒーで現像することができてしまいます。


実際にコーヒーで現像した写真がこちら。ちゃんと絵が出ております。

その他の作例はこちら

というわけで、今回は私が行っているコーヒー現像の手順を紹介して行きたいと思います。
ちなみに、国内外で研究が進んでおり、色々な手法があるようですので、是非自分の環境にあった調合を見つけてみてくださいね。

必須アイテムは以下の2つです。
・現像タンク

・ダークバッグ(チェンジバッグ)

フィルムを現像液につける現像タンクと、フィルムを現像タンクにセットする際に使用するダークバッグはどうしても必要になってしまいます。
パトローネごと浸ける方法もありますが、綺麗に現像することが難しいのでオススメしません。

後は、フィルムを取り出すフィルムピッカーがあると非常に便利です。

合計して7000円もあれば揃うのではないでしょうか。


では、早速フィルムピッカーを使ってフィルムのベロを取り出します。
ダークバッグの中でパトローネを壊して取り出すこともできるので、フィルムピッカーが無くてもどうにかなります。


ベロがでたら、現像タンクに付属しているリールに巻きつけていきます。
ここからはダークバッグの中での作業になりますので、必ず練習してから本番に臨みましょう。


ダークバッグの中はこのような配置で作業をしています。

現像タンクとその蓋、リール、フィルムを切るハサミを入れています。

リールの中心にはツメがついている部分があり、ココにフィルムが引っ掛けられるようになっています。
軽く引っ張ってちゃんと引っかかっていることが確認できたら、後は巻き付けていくだけです。

巻きつける時は、リールを回すのではなく、フィルムを押すように出していくと自然に巻き付いていきます。
リールを引っ張りすぎてフィルムが重なってしまったりすると正しく現像出来ないので、注意しましょう。


リールに巻き付いたら、根本で切り取り、現像タンクに入れて蓋をします。
ここまできたらダークバッグから取り出して作業することができます。

リールへの巻き付き具合は現像が終わってみないとわかりません。


ここからは、現像に使う液を調合します。
必要なのは現像液と定着液の二種類。

この現像タンクは250cc用なので、250cc分のレシピです。
また、ASA感度100のフィルム用なので、400等の高感度フィルムでは異なるレシピとなります。

・炭酸ナトリウム 13.5g
・ビタミンC 4g
・コーヒー 10g

以上のものを水250ccに順番に入れ、溶かしておきます。これが現像液になります。

また、定着液として、カルキ抜きを使用することができます。
私は液体のカルキ抜きを水250ccにキャップ1杯分入れて使用しています。


作成した現像液と定着液がこちら。

水温が20度になるように、風呂桶などに保温用の水を作っておきましょう。
水温管理はかなり重要なポイントになるようです。


現像処理
温度計で現像液の水温を確認し、問題なければ現像液を投入します。
現像時間は合計15分です。

投入後、気泡を防ぐため数回床に叩きつけるようにし、10回撹拌を行います。
以後1分ごとに3回撹拌を行います。
撹拌は、タンクをひっくり返し、元に戻す動作を1回としてカウントします。

時間が来たらすばやく排出してください。

停止処理
続いて停止処理として、普通の水を投入し、10回撹拌します。
これをもう一回行いましょう。

定着処理
次に定着処理として、カルキ抜きで作った定着液を使って10分間処理します。
こちらは投入後30秒間撹拌を続け、以後1分ごとに3回撹拌します。

水洗い
定着まで終わったら、水洗いをします。
水を入れて5回、水を入れ替えて10回、水を入れ替えて20回、水を入れ替えて20回撹拌します。

水滴防止
最後に、水滴防止処理として、食器用洗剤を数滴溶かした水を使って数回撹拌します。
この工程は任意です。フィルムを拭いてから乾燥させる場合、不要となります。


ここまできたら現像タンクの蓋を取り外して確認します。
泡が残っている場合は適当にすすぎましょう。


やっとリールとの対面です。ちゃんと巻けていたでしょうか。


リールから取り出して現像結果を確認しましょう。
感動の瞬間ですね。


現像が終わったフィルムは、洗濯バサミで吊るして乾燥させます。
下側にも重りの洗濯バサミをつけておきましょう。

充分に乾燥させたらスキャナー等でスキャンすればパソコンでも確認することができます。

撮影から現像まですべて自分でできるというのは、すごい達成感。
現像まで自分でやって、はじめてフィルムが趣味だと胸を張れるようになった気がします。

現像は一時間程度あればできるかと思いますので、是非皆さんもチャレンジしてみてください。

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